高性能林業機械の現状とメンテンスの重要性

はじめに

国内では、森林保全・整備のための路網と高性能林業機械を適切に組合せた低コストで高効率な作業システムの普及を目的に高性能林業機械の導入が進んでいます。

林野庁統計資料によると、平成三十年度実績では、約九千六百六十台が保有されるまで成長にしています。

しかし、高性能林業機械の導入が順調に進んでいる一方で、車両系林業機械の転倒事故などの災害が増えてくることが懸念されており、新たな課題として受け止められています。

我が社は昭和四十二年に栃木県足利市で創業し、建設機械や各産業機械、イベント商品まで幅広い分野で活躍している総合レンタル会社です。高性能林業機械のレンタルを開始し十四年になり、約五百台を保有しています。

近年、伐木、造材、集材等の作業に高性能林業機械が導入されることに伴い、高性能林業機械が原因となる休業四日以上の死傷労働災害が発生しており、高性能林業機械の導入と比例し増加傾向にあります。

特に、フォワーダが路肩から転落する重大災害が数件発生しているほか、車両系林業機械で作業中に斜面でバランスを崩す災害も発生しております車両系林業機械による労働災害の発生状況を確認すると、基本的な定期点検や、使用時の始業前点検により、機械の異常を早期発見することで、労働災害を未然に防ぐことができることの重要性を再認識しております。

始業前点検の重要性

我が社では、高性能林業機械のメンテナンスは、建設機械と同じ基準で実施しております。徹底したメンテナンスにより、品質の維持とメンテナンスコストの削減が可能になります。

お客様が保有している高性能林業機械の修理コストが高額とのお話をよく耳にします。ご承知の通り機械が壊れてから修理するのが一番の高コストになります。これを未然に防ぐには、次の三項目を徹底し、予防整備を実施する事です

  • 年次点検(一年以内の定期点検)
  • 月次点検(一ヶ月内の定期点検)
  • 始業前点検(日々作業前点検)

点検、検査で異常を確認した際には、直ちに補修などの必要な措置を講じることが重要であります。

これらを徹底し実施することで、高額な修理コストの削減だけでなく、高性能林業機械の整備不良に起因する労働災害を未然に防ぐことが可能となります。

建設業界では、建設機械の年次点検・月次点検・始業前点検は義務化されており、点検完了後には記録簿を作成して、事業主が書類を保管することが義務化されております。

一方、林業業界は、始業前点検だけが義務化されており、年次点検・月次点検は《努力義務》とされており、点検記録簿の保管も義務化されておらず、メンテナンスの重要性が徹底されていないのが現状です。

安心・安全は予防整備の徹底から

高性能林業機械の未点検や能力を超えた作業は、機械の品質保持ができないだけでなく、労働災害発生の要因にもなりかねません。

一昨年から、各機関からの依頼を受けて高性能林業機械のメンテナンス研修会を各地で開催させて頂いています。

この研修会を通じ、年次点検、月次点検、始業前点検の実施率が向上し、お客様が保有している高性能林業機械の高額修理のコスト削減及び品質保持と労働災害撲滅に少しでもお役に立てることができれば幸いです。

※レンタルのニッケンからのご提案

『保有から利用へ(レンタル調達)』単純に「レンタルとは」を一言で表すと「必要な時に」「必要な物を」「必要な数だけ」調達出来るということです。裏返せば「いらない時に」「いらない物を」「いらない数だけ」返却出来る便利なビジネススキームです。

我が社は、全国に約二百四十店舗とレンタル業界では最大規模の直営店舗を形成しており、お客様のニーズにお応えするため、営業所、機械センター、サービス工場をオンライン で結び、サービスネットワークを構築し迅速に対応しております。

建設業界だけでなく、他の産業界も機械の保有志向が強くありましたが、レンタル機能の便利さ、安心・安全性から徐々に浸透してきており、建設業界では全体の七十%がレンタル調達に至っております。

下記図を参照して頂き、林業業界の皆様も『保有から利用へ』ご検討をよろしくお願いいたします。

我が社は、お客様の戦略的パートナーとして、今後もレンタルを通して「安心・安全」な商品提供を行い、山形県林業業界発展に微力ながら寄与させて頂きたいと考えております。

〔㈱レンタルのニッケン〕