高性能林業機械メンテナンス研修会を開催

「やまがた森林ノミクス加速化ビジョン」(令和3年度制定)では令和12年度の県産木材供給量90万㎥(令和5年度59.1万㎥)の目標を掲げておりますが、その達成に大きな役割を果たすのが高性能林業機械です。高性能林業機械の導入は、労働生産性の向上、生産コストの削減、労働災害の低減や労働環境の改善に大きく貢献します。

県内でも高性能林業機械の導入が年々増加しており、令和4年度における保有台数は216台となっております。最も多く保有されているのはフォワーダ(積載式集材車両)77台、次に多いのがハーベスタ(伐倒造材機)50台となっています。高性能林業機械は、故障すると高額の修繕費がかかるため、日常の保守点検が重要ですが、オペレーターに点検の技能がなく、機械の維持管理がやりにくいとの声が多くあります。

山形県森林協会では、公益財団法人やまがた森林と緑の推進機構の協力により、県内各地で高性能林業機械のメンテナンス研修会を開催しておりますが、本年度は置賜地域の林業事業体の希望により、プロセッサとフォワーダのメンテナンス研修会を開催しました。

研修会は、11月26日に置賜総合支庁との共催で、西置賜ふるさと森林組合白鷹支所において開催しました。研修会には置賜地域の林業事業体や行政関係者等16名の参加がありました。講師は(株)レンタルのニッケンで高性能林業機械の整備に従事している職員が担当し、整備担当者の視点から、林業事業体で高性能林業機械を毎日使っている方々にいかに効率よく、故障を少なくし、上手に使うかアドバイスをしていただきました。

◆プロセッサ  

プロセッサは、チェンソーで伐倒した材の枝を払い、あらかじめ決められた長さに玉切りを連続して行い、玉切りした材の集積作業を一貫して行う高性能林業機械です。

油圧ショベル(ベースマシン)のバケットの部分にプロセッサのアタッチメントを取り付けた構造で、作業開始前点検記録簿に基づいてベースマシンとプロセッサに分けて行われました、参加者に普段どのような点検を行っているか聞きながら、普段の点検で見過ごしてしまいがちで、大きな故障に繋がるおそれのある個所について説明してもらいました。特に最近火災事故が多く発生しているとのことで、木くずがたまりやすい場所に気を付けるようにとの説明がありました。

◆フォワーダ

 県内で一番多く使用されている高性能林業機械であるフォワーダは、玉切りした材をグラップルクレーンで荷台に積んで運ぶ集材専用の自走式機械で、車両部分とグラップルに分けて点検を行いました。特に車両部分については、エアークリーナーの点検、エンジンオイルの量の確認など参加者に実際にやってもらい、確実に実施するように説明していました。

 研修が終わり、参加者からは「とてもわかりやすく丁寧に説明していただいた。普段のメンテナンスについて知ることができました」、「実際に林業機械を操作できたのがよかった。引き続きやってもらいたい。役に立つ研修であった」などの感想が寄せられました。

〔山形県森林協会〕