高性能林業機械の調達について~所有からレンタルへ~

プロセッサやフォワーダなどの高性能林業機械の購入には高額な費用がかかります。このため、高性能林業機械の利用期間やメンテナンス費用の負担等を考え、高性能林業機械のレンタル利用が増えていることから、高性能林業機械の調達について、株式会社レンタルのニッケンにまとめていただきました。

◆はじめに

 高性能林業機械は生産性の向上や重労働からの解放、労働災害の削減など様々な面で林業業界に貢献しています。そのようなこともあり、高性能林業機械は急激に普及し、保有状況は、10年前の平成25年の約6000台から現在では約2倍となる11000台を超える保有状況となりました。

一方、昨今のコロナウイルス蔓延やウクライナ紛争などによる影響から高性能林業機械の価格も高騰し、自動車同様納期が不透明といった状況も発生しております。また、故障の際に必要となる部品の調達にも影響が出ています。部品の納期に時間がかかるため、現場作業が止まってしまうこともあります。

当然のように部品価格も高騰しております。保有機械が多ければ多いほど維持管理費用が多大な金額となるため、故障という問題に常に頭を悩ませる経営者も少なくありません。

◆建設業におけるレンタル

 建設投資はバブル経済崩壊以降、民間投資の一層の冷え込みと公共事業の削減により、一貫して減少が続いておりました。このような建設投資の減少は建設業界に大幅な経営の合理化を迫り、その一環として建設機械の調達方法にも大きな変化が現れました。自社保有からレンタルへのシフトです。

建設機械レンタル業界では、業界内における全保有機械に占めるレンタルの割合を「レンタル依存度」という用語を使って表します。

我が社は創業時から建設業界を主要な顧客として捉え営業活動してきました。昭和の時代は建設業界も「機械保有」が中心で、レンタル依存度は極めて低く、大手建設会社は機材センターで自社管理をして、多数の自社資産を持ちながらの経営を行なっておりました。

しかしながら、バブル経済が崩壊した後は「持たざる経営」が中心となり、急激にレンタル依存度が上昇し、合理化、効率化が進み、近年では、レンタル依存度は60%を超えてきている状況です。

◆レンタルの特徴

「必要な時に」「必要な物を」「必要な数だけ」調達出来るのがメリットですが、裏を返しますと「不要になったら」「不要な物を」「不要な数だけ」返却出来ることであります。 

建設工事は日々環境が変わり、計画通りに進まないものでもあります。例えば、基礎工事のために掘削した際、想像以上に地下水が湧き、その湧き水が作業の妨げになることがあります。その際に必要なのが水中ポンプとそれを動かす発電機です。これらの機械はレンタル調達が最も早く、安価な方法となっております。

不測の事態に備えて必要機械を購入し常備しておくことももちろん良いのですが、使わない時間が長くなればなるほど管理を怠り、いざ必要なときには使えないということも十分に起こります。それを補うのがレンタルなのです。

◆林業業界におけるレンタル

現在、林業業界におけるレンタル依存度は約20%弱と推測しております。

まだまだ自社保有が中心の業界ですが、全国的にみるとレンタル調達に対し補助金が出る県も増えてきており、徐々にレンタルが浸透してきております。

◆調達方法の種類

我が社は、レンタル会社として当然ながら、今後も林業業界の合理化のために他産業同様、レンタル依存度の向上を目指していきたいと考えております。

しかしながら、単にレンタルだけを推し進めれば良いとは考えておりません。

機械調達方法は購入、リース、割賦、レンタルと様々ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。年間を通してほとんど現場で稼働しており、尚且つ修繕費用が掛からない機械に関しては、当然ながら購入し保有されるのが適しており、それに対して修繕費用が多くかかる機械に関しては、他の調達方法に変更することも検討することが必要でしょう。

機械の種類やサイズによって稼働率や修繕費用等が異なりますので、それぞれに適した調達方法の検討をお勧めします。

◆最後に

レンタル会社にとっては商売道具である機械の維持管理費をいかに抑えるかが大変重要となってきます。

つまり維持管理費を抑える方法のノウハウはどこよりも優れているものと考えております。

弊社も林業分野のレンタル事業に参入して10年以上経過し、林業機械の維持管理費をいかに抑え、いかに長持ちさせるかのノウハウも蓄積できてきました。

単に効率性を考えた機械のレンタル提案だけでなく、様々な面を考慮した総合的な提案ができますので、お気軽にご相談いただければと思います。

<レンタルのニッケンの特徴>

昭和42年創業の総合レンタル会社。全国250拠点で建設業を軸に鉄道、プラント、造船、林業、農業、空港、イベント商品のレンタルを展開しております。

社員全員がビジネスネームを持ち、公私の区別を明確にして、常にプロ意識を持ってお客様の「困った」に耳を傾けております。

〔山形県森林協会〕