高性能林業機械メンテナンス研修会を開催

令和3年度制定の「やまがた森林ノミクス加速化ビジョン」で定められた評価指標、令和6年度県産木材供給量70万㎥(令和3年度53万㎥)の達成に大きな役割を果たすと考えられるのが高性能林業機械です。高性能林業機械の導入は、労働生産性の向上、生産コストの低減、労働災害の低減など労働環境の改善に大きく貢献しています。

山形県内でも高性能林業機械の導入が年々増加しており、令和2年度における保有台数は201台となっております。最も多く保有されているのはフォワーダ(積載式集材車両)、次に多いのがハーベスタ(伐倒造材機)となっていますが、近年フェラバンチャの導入が多くなっています。特にバックホウのバケットにカッターを収納し、立木の伐倒とバケットによる土木作業を1台で行うことのできる、フェラバンチャザウルスロボが注目されています。

 当協会では、10月19日に村山総合支庁森林整備課との共催で、天童市桜町のレンタルのニッケン天童ヤードにおいて、フェラバンチャザウルスロボとイワフジ工業(株)製のフォワーダの最新モデルを使いメンテナンス研修会を開催しました。 

 研修会は、村山地域の林業事業体や行政関係者等17名の参加がありました。講師はレンタルのニッケンで高性能林業機械の整備に従事している職員が担当し、整備担当者の視点から、林業事業体で高性能林業機械を毎日使っている方々にいかに効率よく、故障を少なくし、上手に使うかアドバイスがありました。

◆フェラバンチャザウルスロボ

 フェラバンチャザウルスロボは、松本システムエンジニア(株)(福岡県)が開発したとグラップル機能(材を挟む機能)とバケット機能(掘削機能)を併せ持つ多目的アタッチメントに格納式のカッターを取り付けたハイブリッド・アタッチメントで、立木の伐倒から林道の作設までの作業を1台で行えます。研修では通常の建設機械でおこなう点検項目のほか、グラップルのここに亀裂が入りやすいから見てほしいなどの具体的なアドバイスがありました。また、カッター刃先の研ぎ方について、グラインダーを使って実演し、刃先から3ミリの部分を研ぐこと、刃先から刃のみねに向かって研ぐことなどが説明されました。刃先を研がないでカッター全体をピカピカにしたけれど、少しも切れなかったという自身の失敗談を話しながら、刃先を研ぐことの大切さを説明されました。

グラップルの点検箇所を説明

◆次世代型フォワーダ

 イワフジ工業(株)のフォワーダU-5Eは高出力と環境性能を両立した最新モデルで、ディーゼルエンジンの排ガスの窒素酸化物(NOx)を浄化する技術である尿素SCRシステムを搭載しとぃることなどが説明されました。このフォワーダは最新モデルでメンテナンスがシンプルになっているとのことですが、他社のフォワーダの構造などにも言及して、丁寧に点検箇所や注意点などが説明されました。

 研修が終わり、参加者からは「分からなかったことに対して親切・丁寧に教えてもらい、大変わかりやっすかた」、「操作についての研修もしてほしい。」などの感想・要望が寄せられました

〔山

グラップルを操作してみる

〔山形県森林協会〕